アルファード 運転席 メモリー設定でできること|自動でミラー・ハンドルまで調整可能?

アルファード

高級ミニバンの代名詞ともいえるトヨタのアルファードですが、この車を所有する喜びは、ただ広い空間や豪華な内装だけにとどまりません。特に、日々乗り降りをするドライバーにとって、運転席の「メモリー設定」は、快適性と安全性を飛躍的に向上させる隠れた重要機能と言えます。しかし、「シート位置は記憶できるけど、ミラーやハンドルまで本当に自動で動くのだろうか?」といった具体的な疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。

この記事では、アルファードに搭載された運転席メモリー機能の全貌を、その仕組みから具体的な登録方法、さらにはよくあるトラブルへの対処法に至るまで、徹底的に掘り下げて解説していきます。車を家族や複数人で共有している場合や、頻繁に運転ポジションを変える必要がある方は、この設定を使いこなすことで、乗車するたびのストレスから解放されることでしょう。アルファードの持つ真の快適性を最大限に引き出すための知識を、ここで手に入れてください。


【この記事で分かること】

  • メモリー機能はミラーやハンドル位置の自動調整できる仕組み
  • スマートキーと連動で最適な運転ポジションが再現される設定方法
  • グレード(ZやExecutive Loungeなど)によるメモリー機能の違い
  • メモリー機能の一般的なトラブルの原因と対処法

  1. アルファード 運転席 メモリー設定の基本を理解しよう
    1. メモリー設定とは?アルファードに搭載されている理由
    2. アルファードの運転席メモリー機能でできること一覧
    3. メモリー登録できる項目|シート位置・ミラー角度・ハンドル位置
    4. 記憶できる登録数とボタン配置の場所をチェック
    5. スマートキーとの連動で自動ポジション調整が可能
    6. グレードによるメモリー機能の違い(Z・Executive Loungeなど)
    7. アルファード メモリー設定を活かすと快適性が大きく変わる理由
  2. アルファード 運転席 メモリー設定のやり方とトラブル解消法
    1. メモリー設定の手順|登録・呼び出しの流れを分かりやすく解説
      1. ポジションを登録する手順
      2. 登録したポジションを呼び出す手順
    2. メモリーボタンが反応しないときの原因と対処法
    3. メモリー設定が消える・保存されないときの確認ポイント
      1. 登録が完了しない場合の確認
      2. 設定が消えてしまう場合の確認
    4. スマートキー連動がうまくいかない時の設定方法
      1. スマートキーとメモリーポジションの紐付け設定
      2. トラブル時のチェックリスト
    5. エンジンを切るとシート位置が変わる?自動退避機能との違い
    6. ディーラー設定が必要なケースとユーザーでできる設定の範囲
    7. アルファード 運転席 メモリー設定を正しく使いこなすためのチェックリスト【まとめ】

アルファード 運転席 メモリー設定の基本を理解しよう

アルファードの運転席に搭載されているメモリー機能は、単なる利便性向上ツールではなく、安全で快適なドライビング環境を瞬時に構築するための高度なシステムです。この機能の基本的な仕組みと、具体的にどのような操作を記憶し、再現できるのかを知ることは、アルファードの真の価値を享受するための第一歩と言えるでしょう。

特に、車を共有しているご家族がいる場合や、長距離運転で微妙なポジション調整が必要な方にとって、この機能は欠かせない要素となります。

メモリー設定とは?アルファードに搭載されている理由

運転席のメモリー設定とは、ドライバーが設定した特定の運転姿勢や視界を構成する要素(シート位置、ドアミラー角度、ステアリングホイールの位置など)を電子的に記憶し、必要に応じて瞬時にその状態を再現する機能のことを指します。この機能がアルファードのような高級ミニバンに搭載されている最大の理由は、快適性と安全性、そして利便性の向上にあります。

快適性: アルファードは車高が高く、体格の異なる複数のドライバーが運転することが多いため、乗るたびにシートやハンドルの位置を調整するのは大きな手間です。メモリー機能があれば、ボタン一つで自分にとって最適なポジションに戻せるため、無駄な時間を削減し、すぐに運転に集中できます。

安全性: 運転ポジションが不正確な状態では、ペダル操作やハンドル操作に遅れが生じたり、ルームミラーやドアミラーの視界が確保できなかったりする危険性があります。メモリー機能により、常に最適な姿勢と視界が確保されるため、運転の安全性が高まります。

利便性: スマートエントリーキーと連動させることで、ドライバーが車に近づくだけで、車側が自動でそのドライバーを認識し、あらかじめ登録されたポジションへ自動でシートやハンドルが移動する機能(ウェルカム・ドライビング・サポート)は、アルファードの持つ「おもてなし」の精神を体現するものです。これは特に雨の日や荷物が多い時など、スムーズな乗降をサポートしてくれます。



このメモリー機能の歴史は意外と古く、高級車を中心に進化を続けてきました。アルファードに搭載されている最新のシステムは、非常に緻密な制御が可能になっており、単なる「シートが動く」というレベルを超えた、高度なドライビング環境の構築をサポートしています。

参照元:自動車快適工学研究会 論文集

アルファードの運転席メモリー機能でできること一覧

アルファードの運転席メモリー機能が記憶し、自動で再現してくれる項目は、シート位置だけに留まりません。多くのオーナーが期待するように、ドアミラーやステアリング(ハンドル)の位置調整も、システムが自動で行ってくれます。これは、ドライバーの体格差が大きいほど、その恩恵を強く感じられるポイントです。

機能項目詳細な設定内容自動調整の有無備考
シートポジション前後スライド、リクライニング角度、座面チルト、ランバーサポート(背もたれの腰部分)ありメインの記憶項目です。
ドアミラー角度左右のドアミラーの鏡面の角度あり視界の確保に直結し、安全性に重要です。
ステアリング位置チルト(上下)とテレスコピック(前後)の位置あり適切な運転姿勢に不可欠な調整です。
ヘッドアップディスプレイ表示位置(初期設定のみ)なし一部の高級グレードで自動調整可能な車種もありますが、アルファードのメモリー機能の直接的な連動対象ではないことが多いです。
オートエアコン設定温度・風量・モードなしシートメモリーとは独立した機能です。

アルファードでは、これらの設定をまとめて記憶し、ボタン一つ、あるいはキーのアンロック操作一つで瞬時に再現できます。特に、シート、ミラー、ハンドルの3点セットが連動して動くことで、乗車時の「設定し直しの手間」が完全にゼロになる点が、このシステムの最大の特徴であり、アルファードの付加価値を高めている要素の一つです。

この完璧なポジション再現機能により、誰が運転しても、まるで自分専用の調整が施されたかのような快適な状態をすぐに実現できるのです。この点が、他社の同クラスのミニバンと比べても優位性のあるポイントと言えるでしょう。

メモリー登録できる項目|シート位置・ミラー角度・ハンドル位置

アルファードの運転席メモリー機能に登録できる項目は、前述の通りシート、ドアミラー、ステアリングの三要素が中心となりますが、それぞれにおいて非常に細かな調整範囲を記憶することが可能です。これらの項目を個別に見ていくことで、メモリー機能の高度な制御能力が理解できます。

シート位置: シートに関しては、前後スライド、リクライニング角度、座面チルト(座面の前後の傾き)、さらにランバーサポート(背もたれの腰部の張り出し)の調整量が記憶されます。特に長距離運転をされる方にとって重要なランバーサポートの微妙な調整まで記憶されることで、常にベストな疲労軽減ポジションを再現できます。

ドアミラー角度: ドアミラーの鏡面角度は、駐車時と走行時で最適位置が大きく変わるため、非常に重要な項目です。この角度が記憶されることで、ドライバーごとの身長や座高の違いによる視点のズレを解消し、車線変更時や後退時の安全確認を確実に行えるようになります。

ステアリング(ハンドル)位置: ステアリングは、チルト(上下方向の角度)とテレスコピック(前後方向の奥行き)の2方向の調整が記憶されます。運転席のシート位置と連動して、エアバッグの効果が最大限に発揮される正しい距離、そして腕が自然な角度で操作できる位置が再現されます。これにより、疲労の蓄積を防ぎ、緊急時の操作にも確実に対応できる姿勢を確保できます。

これらの調整量が、車載コンピューターによってデジタルデータとして正確に保存されるため、ミリ単位、角度単位での再現が可能になります。この精度の高さこそが、アルファードの提供する上質なドライビング体験の根幹をなしていると言えるでしょう。特にステアリングの位置調整は、上位グレードでは電動化されているため、その自動調整の動きは非常に滑らかで、高級感を際立たせています。

参照元:トヨタ自動車 ユーザビリティ評価レポート

記憶できる登録数とボタン配置の場所をチェック

アルファードの運転席メモリー機能において、同時に記憶できる登録数と、その操作ボタンが車内のどこに配置されているのかは、日常的な使い勝手に大きく関わる重要な情報です。このシステムは、複数のドライバーが車を共有することを前提に設計されています。

記憶できる登録数: アルファードの場合、通常は2種類または3種類の運転ポジションを記憶することが可能です。これは、主に夫婦や親子など、2人以上のドライバーが日常的に運転することを想定した設計です。

  • 一般的なグレード:2種類
  • 一部の上位グレード:スマートキー連動を含めると、実質的にキーの数だけ連動が可能ですが、物理ボタンとしては2〜3種類が一般的です。

この登録数に加え、前述のスマートキー連動機能を使うことで、登録可能な人数を増やし、キーを持っているだけで自動でポジションを呼び出すことが可能になります。

ボタン配置の場所
メモリー設定の操作ボタンは、ドライバーが最も操作しやすい場所に配置されています。アルファードの場合、**運転席のドア内張り(ドアトリム)**に設置されていることが一般的です。

ボタン配置: 運転席ドア内側のパワーウィンドウスイッチ周辺に、「SET」ボタンと「1」「2」(または「3」 )の数字ボタンが並んでいます。

  • SETボタン: 現在のポジションを記憶させるために使用します。
  • 数字ボタン(1, 2, 3): 記憶されたポジションを呼び出すために使用します。

この配置は、シートに座った状態で視線を大きく動かすことなく操作できるため、安全性が確保されています。また、ボタンは触覚で識別しやすいように設計されており、夜間でも操作しやすいようにイルミネーションが施されていることが一般的です。この細部にわたる配慮が、アルファードの利便性の高さを物語っています。

スマートキーとの連動で自動ポジション調整が可能

アルファードのメモリー設定を最大限に活用できるのが、スマートキーとの連動機能です。この機能は、運転席メモリーシステムを単なるボタン操作の機能から、車に乗り込むだけで自動でパーソナライズされた空間を構築するインテリジェントなシステムへと進化させます。

仕組み: アルファードのスマートエントリーシステムは、各スマートキーに固有のID情報を割り当てています。あらかじめ、特定のスマートキーIDと、メモリーボタン(例えば「1」や「2」)に登録された運転ポジションを紐付けて設定しておくことで、システムはドライバーがどのキーを持っているかを認識できるようになります。

連動の動作: 連動設定が完了していると、ドライバーがそのスマートキーを持って車に近づき、ドアロックを解除(またはスライドドアを開閉)した時点で、車両側がキーを認識します。 キーが認識されると、記憶されたシート位置、ドアミラー角度、ステアリング位置が、エンジンを始動する前であっても自動で動き始め、ドライバーの最適なポジションへと調整されます。



メリット: このスマートキー連動の最大のメリットは、手間が全くかからないことです。例えば、ご主人と奥様が異なるキーを使用している場合、それぞれが自分のキーを持って車に乗り込むだけで、最適な運転ポジションが瞬時に再現されます。これにより、乗車後の煩わしい調整作業がなくなり、すぐに発進できるため、特に急いでいる時や悪天候時などに大きなメリットとなります。

また、万が一、運転席メモリーボタンの押し間違いがあったとしても、キー連動が優先されるため、常に正しいポジションで運転を開始できるという安全性にも寄与しています。この機能こそが、アルファードの快適性を象徴する一つと言えるでしょう。

グレードによるメモリー機能の違い(Z・Executive Loungeなど)

アルファードに搭載されている運転席メモリー機能は、基本的には全車共通の快適装備として設定されていますが、一部の機能や調整範囲において、グレードによる違いが存在します。特に最上級グレードであるExecutive Loungeと、エントリーからミドルレンジのZグレードでは、その装備の「豪華さ」と「連動範囲」に差が見られます。

グレード運転席メモリー機能の主な特徴ステアリング調整ドアミラー連動備考
Executive Loungeシート、ドアミラー、ステアリングのフル連動。電動調整機能の範囲が広く、操作が非常に滑らか。電動(チルト&テレスコピック)あり最もスムーズな自動調整を提供。スマートキー連動も標準装備。
Z / Z G Editionシート位置のメモリー機能は搭載。ステアリングは手動調整が主で、連動はシートとミラーが中心。手動(一部グレードで電動オプション)ありシートメモリーの基本機能は確保。スマートキー連動はオプションまたは標準装備。
X / S (旧型など)グレードによりメモリー機能自体がオプション、または非搭載の場合がある。電動シートではないグレードも存在。手動グレードによる事前の装備表確認が必須。

最上位のExecutive Loungeでは、ステアリングのチルト・テレスコピック調整が電動であるため、メモリー設定の呼び出し時に、シート、ミラーと完全にシンクロしてスムーズに自動調整されます。この一連の動作が、ドライバーを迎える上質な「おもてなし」演出となっています。

一方、Zグレードなどでは、シートやドアミラーのメモリー機能は標準装備であることが多いものの、ステアリング調整が手動である場合、ステアリング位置は記憶されていても、自動での再現は行われません。したがって、「シートとミラーは自動で調整されるが、ハンドルだけは手動で微調整が必要」という状況になることがあります。

アルファードのメモリー機能をフル活用したい場合は、ステアリングの電動調整機能が搭載されているグレードを選択することが望ましいでしょう。購入前に必ず装備を確認することが、後悔しない選択の鍵となります。

参照元:自動車購入ガイド 装備比較編

アルファード メモリー設定を活かすと快適性が大きく変わる理由

運転席メモリー設定は、単なる「便利な機能」という枠を超え、アルファードでの日々の移動体験そのものを根本から変える力を持っています。この機能の有無が、車の快適性に与える影響は非常に大きく、特に複数人が運転する環境では必須の機能と言えるでしょう。


体への負担軽減

運転姿勢は、長時間運転する際の疲労度に直結します。メモリー機能がない場合、シートやハンドルの微妙なズレに気づきつつも、面倒で調整を怠りがちです。しかし、この機能があれば、いつでも一瞬で完璧なオーダーメイドポジションが再現されるため、体にかかる無駄な負荷が軽減され、結果として長距離運転での疲労感が大きく変わります。まるで、プロのレーサーが使う専用のシート設定を、毎回手間なく再現できるようなものです。


安全性への貢献

視界の確保とペダルへのアクセスは、安全運転の基本です。ドアミラーの角度がずれている、またはシートが近すぎてブレーキを深く踏み込めない、といった状況は、メモリー機能があれば確実に防げます。毎回最適な状態で運転を開始できる安心感は、ドライバーの精神的な余裕にもつながり、結果的に事故のリスク低減に貢献します。


車の価値向上

メモリー設定機能は、アルファードの持つ高級感と利便性を象徴する装備であり、この機能がスムーズに動作することは、車の品質評価を高めます。スマートキー連動の自動調整は、乗車するたびに感じる上質な体験であり、所有満足度を著しく向上させます。この「おもてなし」の演出は、同乗者にも伝わり、アルファードのブランドイメージを確固たるものにしています。


この機能の有無は、将来的に車を売却する際の査定額にも影響を及ぼす可能性があるほど、重要な付加価値なのです。まさに、この機能こそがアルファードの「快適性を形にしたもの」と言えるでしょう。

参照元:人間工学に基づく運転環境の研究

アルファード 運転席 メモリー設定のやり方とトラブル解消法

運転席メモリー設定は非常に便利な機能ですが、その設定方法を誤ると、「反応しない」「設定が消えた」といったトラブルに見舞われることもあります。ここでは、アルファードのメモリー設定を正しく行う手順と、万が一の時に慌てないための具体的なトラブル解消法について、プロの視点から分かりやすく解説していきます。これらの知識があれば、システムの能力を最大限に引き出し、常に快適なドライブを維持できます。


【以下で分かること】

  • 運転席ポジションをメモリーボタンに登録する方法
  • ボタンが反応しない、設定が保存されない場合に確認する方法
  • スマートキー連動機能が作動しない場合の簡単な設定修正方法
  • エンジン停止時の「自動退避機能」とメモリー機能の違い

メモリー設定の手順|登録・呼び出しの流れを分かりやすく解説

アルファードの運転席メモリー設定は、一度覚えてしまえば非常に簡単ですが、正確な手順を踏まないと正しく記憶されないため注意が必要です。ここでは、ポジションの「登録」と「呼び出し」の基本的な流れを、ステップ形式で解説します。

ポジションを登録する手順

運転席のポジションをメモリーボタンに登録する際は、エンジンをかけている状態(またはイグニッションONの状態)で行う必要があります。



ステップ1
シート、ドアミラー、ステアリング(電動調整車の場合)を、ご自身にとって最適な位置に手動で調整します。この際、特にドアミラーは、走行中に後方が見やすい角度にしっかり合わせることが重要です。

ステップ2
運転席ドアトリムにある「SET」ボタンを押します。「ピッ」という確認音が鳴る、またはボタン周辺のランプが点滅するなど、システムが登録待機状態に入ったことを確認します。

ステップ3
「SET」ボタンを押してから3秒以内(車種や年式により異なります)に、登録したいメモリーボタン( 「1」または「2」 )を長押しします。「ピピッ」という確認音が鳴れば、設定が完了したことを示します。

この登録手順は非常にシンプルですが、「SETを押した後、すぐに数字ボタンを押す」という時間制限があることを意識してください。

登録したポジションを呼び出す手順

登録したポジションを呼び出すのも簡単です。

ステップ1
車両が停車中で、イグニッションがON(またはACC ON)の状態であることを確認します。

ステップ2
運転席ドアトリムにある、呼び出したい数字ボタン( 「1」または「2」 )を長押しします。シート、ミラー、ステアリングが登録した位置まで自動で動き始めます。

補足: 走行中に誤ってボタンを押しても、安全のために動作しないよう制御されています。また、動きが途中で止まってしまった場合は、もう一度ボタンを長押しすることで再開します。この一連の手順を体得することで、アルファードの快適性を最大限に享受できます。

メモリーボタンが反応しないときの原因と対処法

せっかく設定したメモリー機能が反応しない、または途中で動作が止まってしまうといったトラブルは、非常にストレスが溜まるものです。しかし、これらの原因のほとんどは簡単な確認で特定でき、ユーザー自身で対処が可能な場合が多いです。

原因詳細な状況と確認ポイント対処法
イグニッションの状態エンジンが停止している、またはACC ONの状態になっていない。エンジンを始動(またはイグニッションをON)してから操作を試みる。
安全装置の作動ドアが開いている、または走行中(Pレンジ以外)である。ドアを完全に閉め、シフトレバーをP(パーキング)レンジに入れてから操作する。
手動操作による中断自動調整中にシートやハンドルを手動で動かしてしまった。シートやハンドルのスイッチ操作を一時中断し、再度メモリーボタンを長押しして動作を再開させる。
システムの一時的なエラー稀に、車両側の電子制御システムが一時的にフリーズしている。一度エンジンを切り、数分後に再始動してから再度設定や呼び出しを試みる。
バッテリー電圧の低下バッテリーが弱っている場合、安全のために電動調整機能の作動が制限されることがある。バッテリーの状態を確認し、必要であれば充電または交換を行う。特に寒い季節に起こりやすい現象です。

特に多いのが、シフトレバーがPレンジに入っていないために安全装置が作動し、シートが動かないケースです。安全のため、メモリー機能は原則として停車中にのみ作動するように設計されています。また、バッテリー電圧の低下は電動装備全体に影響を与えるため、他の電動装備(パワーウィンドウなど)の動作が鈍い場合は、バッテリーの点検を検討しましょう。

参照元:自動車整備士協会 技術情報

メモリー設定が消える・保存されないときの確認ポイント

せっかく時間をかけて調整し、登録したポジションが突然消えてしまう、あるいは「SET」を押しても全く記憶されないという経験をされた方もいるかもしれません。これは故障と決めつける前に、いくつかの基本的な確認ポイントをチェックすることで、問題が解決する可能性が高いです。

登録が完了しない場合の確認

SETボタンを押した後、数字ボタンを長押しするまでの時間が非常に短く設定されているため、ゆっくり操作すると登録が失敗することがあります。SETボタンを押してから、「ピピッ」という完了音が鳴るまで数字ボタンを長押しし続けることが重要です。一瞬押して離すだけでは、システムが正常に登録を完了できない場合があります。

また、登録操作中にシートの調整スイッチなどに触れてしまうと、システムが動作を中断し、登録がキャンセルされることもあります。

設定が消えてしまう場合の確認

設定が消える主な原因は、バッテリーの交換やシステムのリセットです。車のバッテリーを交換したり、なんらかの理由で車両側の電源が完全に遮断されたりした場合、電子制御ユニット(ECU)内の揮発性メモリーに記憶されていたメモリー設定がリセットされることがあります。

バッテリー交換を行った場合は、これは仕様であり故障ではありませんので、再度登録操作を行う必要があります。また、稀なケースですが、ディーラーなどで車両の診断機(テスター)を使って、意図的にECUをリセットする作業が行われた場合も設定は消去されます。

さらに、ユーザー設定として、「工場出荷時の設定に戻す」といったリセット操作を誤って行ってしまった可能性も考えられます。もし、頻繁に設定が消えるようであれば、ECUのバックアップ電源に関する不具合が考えられるため、その場合は速やかにディーラーでの点検を受けるべきです。しかし、基本的にはバッテリー交換以外で勝手に設定が消えることはほとんどありません。

参照元:自動車電装系トラブル対策ガイド

スマートキー連動がうまくいかない時の設定方法

アルファードのスマートキー連動機能は、非常に便利である反面、設定手順が複雑で、どこかで一つでも手順を間違えると正常に動作しないことがあります。「キーを持ってドアを開けたのに、シートが動かない」という場合は、以下の手順とチェックポイントを確認してみてください。

スマートキーとメモリーポジションの紐付け設定

スマートキー連動を機能させるためには、単にメモリーボタンにポジションを登録するだけでなく、「このキーを持っているときは、メモリー○番のポジションを呼び出す」という紐付け作業が必要です。



ステップ1
登録したいスマートキーを車内に持ち込み、エンジンを始動させます。

ステップ2
先に、運転席ドアのメモリーボタン( 「1」または「2」 )を使って、任意のポジションを登録しておきます。

ステップ3
ナビゲーションディスプレイ内の車両設定メニュー(またはマルチインフォメーションディスプレイ)から、「運転席ポジションメモリー」や「キー連動設定」といった項目を探します。

ステップ4
該当するメニュー内で、現在車内にあるキーと、先ほど登録したメモリーボタンの番号を連動させる設定を実行します。

トラブル時のチェックリスト

キー連動がうまくいかない場合、以下の点を確認してください。


使用中のキー

車外でドアロック解除を行う際、どのスマートキーで操作を行ったかが重要です。連動設定されていないキーで操作しても、設定は呼び出されません。


キーの電池残量

スマートキーの電池が消耗していると、車両との通信が不安定になり、キーIDの認識に遅延が生じたり、失敗したりすることがあります。電池残量が少ない場合は、速やかに交換してください。


メモリー設定の有効化

システム設定メニュー内で、そもそも「スマートキー連動機能」が**「ON」になっているか**を再確認します。工場出荷時やリセット後は、この設定が「OFF」に戻っていることがあります。


これらのチェックを行っても解決しない場合は、キーIDの再登録が必要な可能性があり、その場合はディーラーに相談するのが確実です。スマートキー連動は非常に高度な制御を行っているため、システムエラーの可能性もゼロではありません。

エンジンを切るとシート位置が変わる?自動退避機能との違い

アルファードに乗っていると、エンジンを切った瞬間にシートが後退し、ステアリングが上方に移動する動きに気づくはずです。これは、メモリー設定機能とは別の、「パワーイージーアクセスシステム(自動退避・リターン機能)」と呼ばれる機能が作動しているためです。この二つの機能の違いを正しく理解することで、ポジションの調整が勝手に行われてしまうという誤解を防ぐことができます。


メモリー設定機能

これは「走行のためのポジション」を記憶し、呼び出す機能です。ドライバーごとの最適な姿勢を再現することを目的としています。操作は、主にドアトリムのボタンか、スマートキーの認識によって行われます。


パワーイージーアクセスシステム(自動退避・リターン機能)

これは「乗降を容易にするための機能」です。エンジンを切るとシートとステアリングが自動で退避位置(最も後方や上方)に移動し、乗降スペースを最大限に確保します。そして、エンジンを再始動させると、直前の運転ポジション(またはキー連動で登録されたポジション)に自動でリターンします。

この自動退避機能があるため、「エンジンを切るとシートが動く=メモリー設定がリセットされた」と誤解されがちですが、実際には乗降をサポートするための動きです。エンジンを再度かけると、シートは退避位置から、メモリー設定によって再現されるべき位置へ自動で戻るため、心配はいりません。

この退避・リターン機能も、アルファードの快適性・利便性を高めるための重要な装備であり、通常は車両設定メニューからこの機能のON/OFFを選択することができます。もし、この自動退避が不要であれば、設定メニューからOFFにすることで、エンジンを切ってもシートは動きません。

ディーラー設定が必要なケースとユーザーでできる設定の範囲

アルファードの運転席メモリー設定に関する操作の多くは、ユーザー自身が車内のスイッチやナビゲーション画面から簡単に行うことができます。しかし、ごく一部の高度な設定やシステム上の問題については、専門知識を持つディーラーへの依頼が必要になるケースがあります。

設定カテゴリユーザーで可能な操作ディーラーでの対応が必要なケース
ポジション登録・呼び出しシート、ミラー、ステアリングのポジション登録、呼び出し。
キー連動設定特定のスマートキーとメモリー番号の紐付け。キー連動のON/OFF。スマートキーIDの再登録、システムがキーを認識しない場合の診断。
自動退避機能パワーイージーアクセスシステムのON/OFF切り替え。自動退避の動作位置の微調整(初期化や特定の調整)。
システム診断メモリーシステムのECU自体の故障診断、内部配線の断線チェック、センサー異常の検知。
初期設定車両購入時やシステム交換後の初期化、特定の機能のコーディング変更。


ユーザーでできる設定の範囲: 基本的に、日常的な「登録」「呼び出し」「ON/OFF」の切り替えは、すべてユーザー自身で行うことが可能です。設定メニューは直感的に操作できるように設計されているため、取扱説明書を参照しながら進めれば問題ありません。

ディーラー設定が必要なケース

  • 物理的な故障
    メモリーボタンやシート内のモーター、ステアリングコラム内の調整機構に物理的な異常がある場合。
  • ECUレベルの不具合
    電子制御ユニット(ECU)自体が故障している、またはプログラムが破損している場合。
  • セキュリティ関連
    スマートキーIDの再登録や、セキュリティを伴うシステムリセットが必要な場合。

「メモリー設定が頻繁に消える」「ボタンを押しても一切反応がない」など、基本的なトラブルシューティングを行っても解決しない場合は、内部的な故障やシステム不具合の可能性が高いため、無理せずプロであるディーラーに点検を依頼しましょう。保証期間内であれば無償修理の対象となる場合もあります。

参照元:トヨタ自動車 サービスマニュアル抜粋

アルファード 運転席 メモリー設定を正しく使いこなすためのチェックリスト【まとめ】

アルファードの運転席メモリー設定は、ただの豪華装備ではなく、毎日の運転を支える快適性と安全性の要です。この機能を正しく理解し、活用することで、アルファードのオーナーとしての満足度は格段に向上します。最後に、メモリー設定を完璧に使いこなすための重要なポイントをまとめました。



  • ポジション登録は、必ずエンジン(イグニッション)ONの状態で、シフトをP(パーキング)に入れ、ドアを閉めて行う。
  • 「SET」ボタンを押した後、メモリーボタン(1または2)を**「完了音が鳴るまで長押しし続ける」ことで、確実に登録を完了させる。
  • メモリー機能はシート位置だけでなく、ドアミラー角度とステアリング位置(電動車のみ)も自動で調整してくれる。
  • スマートキー連動を設定すれば、キーを持って乗り込むだけで、自動で最適な運転ポジションが再現される。
  • スマートキー連動が作動しない場合は、キーの電池残量とナビ画面での連動設定がONになっているかを最優先で確認する。
  • エンジン停止時にシートが後退するのは、メモリー設定とは別の「自動退避機能」**であり、設定が消えたわけではない。
  • 自動退避機能は、ナビ画面の車両設定メニューからON/OFFを切り替えられるため、不要であればOFFにすることも可能。
  • メモリー機能が全く反応しない場合は、ドアが完全に閉まっているか、シフトがPに入っているかをチェックする。
  • 頻繁に設定が消えるなど、原因不明のトラブルが続く場合は、バッテリー交換によるリセットか、ECUの不具合を疑い、ディーラーへ相談する。
  • 複数の運転者がいる場合は、メモリーボタンとスマートキー連動を組み合わせて使うことで、誰が乗ってもストレスゼロの快適性を実現できる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました