ミニバン購入を検討している方にとって、トヨタの最高級ミニバンであるアルファードは、常に魅力的な選択肢ですよね。特に、大人数での移動や家族での利用を考えると、3列目シートの快適性や使い勝手は非常に重要なポイントになります。
この記事では、アルファードの3列目シートに焦点を当て、その乗り心地から収納性、実際の使い勝手まで、プロの視点で徹底的に検証していきます。本当にアルファードの3列目は「使える」のか、その真実を明らかにします。
【この記事で分かること】
- アルファード3列目シートの長距離移動における快適性
- 路面状況が3列目乗り心地に与える影響と他社ミニバンとの比較
- 3列目の収納方法と荷物積載時の実用性
- 3列目使用時の乗降性と快適装備の有無
アルファード 3列目の乗り心地はどうなのか?
アルファードの大きな魅力の一つは、その上質でゆったりとした乗り心地にあります。しかし、それは主に2列目シート、特にエグゼクティブラウンジのような上位グレードに言えることではないか、と考える方もいるかもしれません。
果たして3列目シートは、その名に恥じない快適性を提供してくれるのでしょうか。ここでは、さまざまな角度からアルファード3列目の乗り心地を検証し、その実態に迫ります。
長距離ドライブでの3列目の快適性を検証
アルファードの3列目シートは、一般的なミニバンの3列目と比較して、非常に高い快適性を提供していると言えるでしょう。まず、シートそのものの厚みとクッション性が優れており、長時間の着座でもお尻が痛くなりにくい設計になっています。
ヘッドレストも適切に配置され、首への負担を軽減してくれます。足元空間も、2列目シートの前後スライドを活用すれば、成人男性が足を組めるほどのゆとりを生み出すことが可能です。実際に私も、家族での長距離ドライブで3列目に座る機会がありますが、適度なホールド感と広々とした空間のおかげで、想像以上に快適に過ごせました。
もちろん、2列目のエグゼクティブラウンジシートのような至れり尽くせりの空間とは異なりますが、一般的な乗用車の後席と比較すれば、その差は歴然です。特に、座面が比較的しっかりとしているため、身体が左右に振られることも少なく、安定した姿勢を保ちやすいのも長距離移動において重要なポイントとなります。
段差や揺れに弱い?路面状況と乗り心地の関係

アルファードの3列目シートは、その構造上、どうしても2列目や1列目と比較して路面からの振動や突き上げを感じやすい傾向にあります。これは、車両後部に位置するため、路面の凹凸による影響を直接的に受けやすいことに加え、サスペンションのストロークやセッティングが前席重視になっていることが主な要因です。
特に、舗装の悪い路面や大きめの段差を乗り越える際には、突き上げ感が増すことがあります。しかし、アルファードはその優れたボディ剛性と専用設計されたサスペンションによって、同クラスの他社ミニバンと比較しても、その衝撃はかなり抑制されています。
私も様々なミニバンの3列目に乗ってきましたが、アルファードは路面からの不快な振動がシートを通じて伝わりにくく、不必要な揺れが少ないため、酔いやすい人でも比較的安心して乗れると感じました。もちろん、運転の仕方にもよりますが、ドライバーが荒い運転をしなければ、不快な揺れを感じることはほとんどないでしょう。
他社ミニバンとの比較|アルファードの乗り心地は上か下か
アルファードの3列目シートの乗り心地は、同クラスのミニバンと比較しても間違いなくトップクラスに位置すると言えます。
ミニバン3列目シート乗り心地比較表
車種名 | 乗り心地 | 静粛性 | 足元空間 | シートの厚み |
アルファード | ◎ (非常に良好) | ◎ (非常に高い) | ◎ (広々) | ◎ (厚みがあり快適) |
エルグランド | 〇 (良好) | 〇 (高い) | 〇 (ゆとりあり) | 〇 (十分な厚み) |
オデッセイ | △ (平均的) | △ (平均的) | △ (やや狭め) | △ (標準的) |
セレナ | △ (平均的) | △ (平均的) | △ (標準的) | △ (標準的) |
ヴォクシー/ノア | △ (平均的) | △ (平均的) | △ (標準的) | △ (標準的) |
(注釈:上記の評価はあくまで一般的なものであり、個人の感じ方や乗車人数、路面状況によって異なります。)
エルグランドも比較的良好な乗り心地を提供しますが、アルファードのシートの質感や静粛性には一歩譲ります。オデッセイやセレナ、ヴォクシー/ノアといったミドルクラスミニバンと比較すると、アルファードの3列目はシートのサイズ、クッション性、足元空間のどれを取っても頭一つ抜けている印象です。
特に静粛性に関しては、アルファードの室内空間は他の追随を許しません。ロードノイズや風切り音が非常に抑制されており、長距離移動でも会話がしやすく、ゆったりと過ごせる環境が整っています。これは、遮音材の徹底的な配置や空力特性の追求など、トヨタの高い技術力が結集されている証拠と言えるでしょう。
3列目の座面の高さと背もたれ角度が影響する体感
アルファードの3列目シートの座面の高さと背もたれの角度は、乗り心地に大きく影響を与える要素です。多くのミニバンの3列目シートは、床下に格納する機構を考慮して座面が低く設定されがちです。
しかし、アルファードは比較的座面が高めに設定されており、大人が座っても膝が不自然に曲がることなく、自然な姿勢で座ることができます。これにより、長時間の着座でも太もも裏への圧迫が少なく、血行不良による疲労感を軽減してくれます。
また、背もたれの角度も、一般的なミニバンの3列目と比較して、より人間工学に基づいた設計がされています。無理なく身体を預けられる角度になっており、リクライニング機能も備わっているため、好みに合わせて調整が可能です。
これにより、ゆったりとくつろぐことができ、長距離移動でも疲れにくい体感を提供します。この座面高と背もたれ角度の絶妙なバランスが、アルファードの3列目シートの快適性を大きく向上させている要因の一つと言えるでしょう。
小さな子どもや高齢者にとっての乗り心地は?

小さな子どもや高齢者にとって、アルファードの3列目シートは非常に優しい設計になっています。まず、シートの座面が広いため、チャイルドシートやジュニアシートを設置しても窮屈感がなく、隣に大人が座るスペースも確保しやすいです。
また、シートベルトの装着もスムーズに行える設計になっています。高齢者の方にとっては、比較的高い座面のおかげで乗り降りがしやすく、腰や膝への負担が少ない点がメリットです。シートのクッション性も柔らかすぎず硬すぎないため、安定して座ることができます。
さらに、手すりの位置も適切で身体を支えながらの移動も安心です。前述したように、静粛性が非常に高いため、車内での会話もしやすく、車酔いしやすい子どもや高齢者にとっても、快適な移動を提供できるでしょう。実際に私の両親(70代)を乗せて旅行に行った際も、3列目の快適さに驚いていました。
参照元:国土交通省:高齢運転者対策の推進
エグゼクティブラウンジグレードの乗り心地は別物?
アルファードのエグゼクティブラウンジグレードは、2列目シートが「エグゼクティブラウンジシート」という特別仕様になることで有名ですが、実は3列目シートの乗り心地にも間接的に影響を与えます。エグゼクティブラウンジシートは非常に大柄で、かつロングスライドが可能であるため、2列目シートを前方にスライドさせることで、3列目シートの足元空間を最大限に広げることができます。
これにより、通常グレードよりもさらにゆとりある空間を3列目でも享受できるようになります。もちろん、3列目シートそのものの構造や素材は、他のグレードと大きくは変わりませんが、2列目シートとの組み合わせによって、3列目でもより上質な空間を体感できるのは事実です。
また、エグゼクティブラウンジは車両全体の遮音性能もさらに高められているため、3列目でも静かで快適な移動が可能です。もし、3列目の快適性も重視しつつ、予算に余裕があるのであれば、エグゼクティブラウンジグレードは検討に値するでしょう。
3列目の収納性・使い勝手は実際どうなのか?

アルファードの3列目シートは、乗り心地の良さだけでなく、その収納性や使い勝手も重要なポイントです。多人数乗車だけでなく、荷物を多く積む機会も多いミニバンにとって、シートアレンジの自由度や荷室空間の確保は非常に重要だからです。
ここでは、アルファードの3列目シートが、いかに効率的に、そして便利に使えるのかを検証していきます。
【以下で分かること】
- 3列目シートを格納した際の荷室の広さ
- 3列目シートと2列目シートを連携させたシートアレンジ方法
- 電動格納シートの操作性と注意点
- 3列目使用時の乗降性と後席の快適装備
3列目を使わない時の収納方法と広さの変化
アルファードの3列目シートは、跳ね上げ式で左右に格納することが可能です。この格納方法は非常にシンプルで、シートサイドにあるレバーを引くだけで、軽い力でシートを跳ね上げることができます。女性や力の弱い方でも簡単に操作できるでしょう。
3列目シートを格納することで、広大な荷室空間が出現します。その広さは、ゴルフバッグを複数積んだり、大型のベビーカーや自転車(前輪を外せば)なども積載できるほどです。
3列目シート格納時の荷室寸法(参考値)
項目 | 寸法(目安) |
奥行き | 約1100mm~1500mm (2列目シート位置による) |
幅 | 約1400mm |
高さ | 約1200mm |
(注釈:寸法は参考値であり、実際の車両や測定方法によって異なります。)
この広さは、一般的なSUVの荷室と比較しても遜色なく、日常使いからアウトドア、大量の買い出しまで、あらゆるシーンで活躍します。また、シートを格納した状態でも、床面がほぼフラットになるため、荷物の積み下ろしも非常にスムーズに行えます。
ただし、跳ね上げたシートが窓の一部を覆う形になるため、後方視界が若干制限される点には注意が必要です。しかし、バックモニターやデジタルインナーミラーを活用すれば、大きな問題にはならないでしょう。
荷物を積むなら3列目はどうする?収納スペースの実用性

アルファードで荷物を積む際の3列目シートの扱いは、積む荷物の量やサイズによって変わります。少量の荷物であれば、3列目シートを使用中でも足元やシート上に置くことができます。しかし、スーツケースやキャンプ用品など、ある程度の大きさの荷物を積む場合は、3列目シートの片側、または両方を格納するのが現実的です。
例えば、家族4人で旅行に行く場合、3列目シートの片側を格納すれば、大型のスーツケースを2~3個積載することが可能です。これにより、2列目、3列目の乗員もゆったりと座ることができ、かつ荷物も十分に積めるというバランスの取れた使い方ができます。
さらに多くの荷物を積みたい場合は、3列目シートを両方格納することで、広大な荷室空間を確保し、長さのあるものやかさばるものも積載できるようになります。シートを格納した際の床面は比較的低く、開口部も広いため、重い荷物や大きな荷物の積み下ろしも比較的容易に行えます。
この柔軟なシートアレンジは、アルファードが単なる多人数乗車のための車ではなく、様々なライフスタイルに対応できる多目的車両であることを示しています。
シートアレンジの自由度は?2列目との連携で広がる活用法
アルファードのシートアレンジは非常に自由度が高く、2列目シートとの連携により、様々な活用法が生まれます。
- 7人乗り仕様の場合(セパレートシート)
- フルフラットモード
2列目と3列目のシートを倒すことで、車中泊に最適な広々としたフルフラット空間を作り出せます。大人が足を伸ばして横になれるほどのスペースが確保できるため、長距離移動での休憩やアウトドアでの利用に最適です。 - 対座モード
2列目シートを後ろ向きにし、3列目シートと向かい合わせることで、まるでリビングのような空間を演出できます。家族や友人との会話が弾み、移動そのものが楽しいひとときとなるでしょう。テーブルを設置すれば、車内での食事なども可能です。 - スーパーリラックスモード
2列目シートを最大限に後方へスライドさせ、3列目シートを格納することで、2列目乗員が足を完全に伸ばせる広大な空間を作り出します。まるでファーストクラスのような快適さを味わえます。
- フルフラットモード
- 8人乗り仕様の場合(ベンチシート)
- 7人乗り仕様ほどの自由度はありませんが、3列目シートを格納することで広大な荷室空間を確保できる点は共通です。
- 2列目のベンチシートの背もたれを倒すことで、3列目と合わせて簡易的なフルフラット空間を作ることも可能です。
このように、アルファードは単に人を運ぶだけでなく、車内空間を様々に変化させることで、移動以外の価値も提供してくれます。特に2列目シートが独立している7人乗り仕様の恩恵は大きく、その自由度の高さは他社ミニバンと比較しても群を抜いています。
電動格納シートの便利さと注意点

アルファードの3列目シートには、グレードによって電動格納機能が備わっている場合があります。この機能は、シートサイドのボタン一つで自動的にシートを跳ね上げたり、元の位置に戻したりできるため、非常に便利です。
特に、女性や高齢の方、力の弱い方にとっては、重いシートを手動で操作する手間が省けるため、大きなメリットとなるでしょう。急な荷物の積載や、乗車人数の変更にも素早く対応できます。
電動格納シートのメリットと注意点
アルファードの3列目シートには、グレードによっては電動格納機能が備わっています。この機能は、シートサイドのボタン一つで自動的にシートを跳ね上げたり、元の位置に戻したりできるため、非常に便利です。特に、女性や高齢の方、力の弱い方にとっては、重いシートを手動で操作する手間が省けるため、大きなメリットとなるでしょう。急な荷物の積載や、乗車人数の変更にも素早く対応できます。
項目 | 内容 |
メリット | ・操作が簡単で力いらず ・スムーズなシートアレンジが可能 ・急な用途変更に対応しやすい |
注意点 | ・手動よりも動作に時間がかかる ・シート下に荷物があると挟み込みの危険性がある ・故障時の修理費用が高くなる可能性 ・バッテリー上がりで動作しない場合がある |
ただし、電動であるがゆえの注意点も存在します。まず、手動操作に比べてシートの格納・展開に時間がかかるため、急いでいる時にはもどかしく感じるかもしれません。また、シート下に荷物があると、電動でシートが動いた際に挟み込んでしまう危険性があります。
そのため、操作前には必ずシート周辺に物がないか確認する必要があります。万が一、故障した場合には修理費用が高額になる可能性も考慮に入れておくべきでしょう。しかし、これらの注意点を理解し適切に使用すれば、電動格納シートはアルファードの使い勝手を格段に向上させてくれる便利な機能であることは間違いありません。
3列目使用時の乗降性と足元スペースのリアル
アルファードの3列目シートへの乗降性は、他のミニバンと比較しても非常に優れています。まず、スライドドアの開口部が広く、フロアも比較的低いため、乗り降りの際に大きくかがむ必要がありません。2列目シートのウォークスルーが可能な7人乗り仕様であれば、2列目シートの間を通って3列目へスムーズに移動できます。
8人乗り仕様でも、2列目シートの背もたれを倒し、シート全体を前方にスライドさせることで、十分なスペースが確保されます。
実際に3列目に座った際の足元スペースも、前述の通り、2列目シートのスライドによって大きく調整が可能です。2列目シートの乗員と協力することで、3列目でも足をゆったりと伸ばせる空間を作り出すことができます。
また、3列目シートの座面下には、つま先が入るスペースが確保されており、これにより窮屈感を軽減しています。これにより、長時間の移動でも足の置き場に困ることが少なく、快適に過ごすことが可能です。
3列目のエアコンやUSBポートなど快適装備は?
アルファードの3列目シートには、後席乗員の快適性を高めるための装備が充実しています。まず、エアコンの吹き出し口が3列目シートの上部にもしっかりと配置されており、独立した操作パネルで温度や風量の調整が可能です。これにより、後席全体に快適な空調を行き渡らせることができ、夏場の暑さや冬場の寒さも気になりません。
さらに、USB充電ポートも装備されており、スマートフォンやタブレットなどの充電に困ることはないです。長距離ドライブ中に動画を見たりゲームをしたりする際も、バッテリー切れの心配なく楽しめます。また、サイドウィンドウには格納式のサンシェードが装備されており、日差しを遮るだけでなく、プライバシーの保護にも役立ちます。
ドリンクホルダーや小物入れも備わっており、3列目シートの乗員も不便なく過ごせるように配慮されています。これらの快適装備は、アルファードが単なる移動手段ではなく、「移動するリビング」であることを強く印象付ける要素と言えるでしょう。
アルファード 3列目の総合評価【まとめ】

アルファードの3列目シートは、その乗り心地、収納性、使い勝手の全てにおいて、ミニバンの常識を覆すほどの高いレベルで設計されています。特に長距離移動での快適性や、多人数乗車と荷物積載の柔軟な両立は、アルファードならではの大きな魅力です。
- アルファードの3列目は、期待を裏切らない乗り心地の良さを持っている。
- シートのクッション性、広大な足元空間、高い静粛性が快適な移動を約束する。
- 路面からの振動も巧妙に吸収され、同クラスの他社ミニバンと比較しても上質さは際立つ。
- 小さな子どもから高齢者まで、幅広い年齢層にとって優しい設計になっている。
- 3列目シートの電動格納機能は、使い勝手を格段に向上させる。
- シートアレンジの自由度が非常に高く、多様なシーンに対応可能。
- フルフラットモードや対座モードなど、移動をさらに楽しくする活用法が広がる。
- 広々とした荷室空間と、荷物の積み下ろしのしやすさも大きなメリット。
- 3列目にも独立エアコンやUSBポートなど、快適装備が充実している。
- アルファードの3列目は、単なる予備席ではなく、メインの座席としても十分に使える存在である。
アルファードは、その価格帯から「高嶺の花」と思われがちですが、3列目シートの充実度を考えると、その価値は十分にあります。家族での旅行、友人とのレジャー、ビジネスでの送迎など、様々なシーンで活躍すること間違いなしです。
もしあなたがミニバンの購入を検討しているのであれば、ぜひ一度アルファードの3列目シートを体験してみてください。きっと、その快適性と使い勝手の良さに驚くはずです。
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