レクサス LS x 年式 不具合ランキング|10万km超えで増える症状ベスト7【完全版】

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日本が世界に誇るフラッグシップセダン、レクサスLS。その圧倒的な静粛性と雲の上を滑るような乗り心地は、「走る応接室」とも「動く芸術品」とも称され、新車時はもちろん、中古車市場においても唯一無二の存在感を放ち、絶大な人気を誇っています。

しかし、いかに世界最高峰の品質管理のもとで製造された車であっても、数万点の部品からなる機械である以上、経年劣化や過酷な環境下での使用、そして走行距離の増加に伴う「不具合」は絶対に避けることができません。

特に、快適装備や安全装備のために膨大な数の電子部品とモーターが搭載されているLSにおいては、年式や走行距離に応じた適切なメンテナンスが、車両寿命を決定づけると言っても過言ではありません。「いつか壊れる」という漠然とした不安を抱えたまま乗るのと、「いつ、何が起きるか」を知って乗るのとでは、維持にかかるコストも精神的な負担も大きく異なります。

多くのオーナー様、あるいは未来のオーナー様が最も気にされるのは、「具体的にどの年式で、どんな故障が起きやすいのか」、そして「10万kmという大台を超えたあたりから発生する高額修理のリスクと、その現実的な金額」ではないでしょうか。

今回は、長年自動車業界に身を置き、数多くの高級車メンテナンスを取材してきた私の経験と、現場の最前線でLSを整備し続ける熟練メカニックからの生々しい声を元に、レクサスLSの年式別不具合の傾向を徹底解剖します。

さらに、走行距離が増えることで顕在化する「LS特有」のトラブルをランキング形式で詳しく解説し、これからLSの購入を検討されている方、現在所有されており今後の維持費に戦々恐々としている方にとって、まさに“転ばぬ先の杖”となる情報を余すところなくお届けします。


【この記事で分かること】

  • 部品ごとの具体的な寿命や、純正・OEM・リビルト部品の価格差と使い分け
  • 前期・中期・後期モデルごとの弱点と、購入時に見るべきチェックポイント
  • 多走行車を快適に維持するための予防整備の優先順位とプロの視点
  • 警告灯点灯時や異変発生時の初動対応とリスク回避術

レクサスLSの年式ごとに多い不具合と10万km超えで起きやすい理由

レクサスLSは、その長いモデルライフの中で、40系から50系へと世代交代し、さらに各世代の中でも前期・中期・後期と進化を続けてきました。採用されている技術やパーツが異なれば、当然ながら発生しやすい不具合の傾向も変化します。

特に「走行距離10万km」というラインは、現代の自動車にとっても一つの大きな節目です。日本の交通環境(ストップ&ゴーの多さや高温多湿)において、ゴムブッシュ類、樹脂パーツ、電子基板のハンダ、モーターのブラシなどが、設計上の耐久寿命を迎え始める時期が重なるからです。



これらが単独ではなく複合的に劣化することで、「LS特有」の重厚なトラブルが顔を出します。ここでは、単なる現象だけでなく「なぜその不具合が起きるのか」というメカニズムの視点から、年式ごとの弱点を深掘りしていきます。

レクサス LS x 年式 不具合で特に多い“年代別の弱点”とは?

レクサスLSは大きく分けて、V8自然吸気エンジンを主力とする**40系(2006年〜2017年)と、ダウンサイジングターボを採用した50系(2017年〜)**に分類されます。さらに細かく行われるマイナーチェンジにより、信頼性は向上し続けていますが、新しい技術の導入は新たな「弱点」を生む側面も持っています。


40系前期(2006年〜2009年)

まず、40系前期(2006年〜2009年) において圧倒的に多く、かつオーナーの満足度を下げているのが「内装の深刻な劣化」と「ブレーキアクチュエーター」の不具合です。 内装に関しては、ダッシュボードやドアトリムに使用された樹脂素材が、日本の夏場の高温多湿な環境に対して耐久性が不足しており、経年で溶け出してベタつきが発生したり、亀裂(クラック)が入ったりする事例が多発しました。

これは機能的な故障ではありませんが、LSの持つ高級感を著しく損なうため、中古車市場での価値を大きく下げる要因となります。

また、電子制御ブレーキシステムにおいて、アキュムレーター(蓄圧器)の圧力保持能力が低下したり、ポンプモーターが摩耗したりすることで、ブレーキペダルを踏むたびに「ウィーン」「カチカチ」という異音が大きくなるトラブルも定番です。最悪の場合、警告灯が点灯し、ブレーキの効きが極端に悪くなるフェイルセーフモードに入ってしまいます。


40系中期・後期(2009年〜2017年)

次に40系中期・後期(2009年〜2017年) になると、内装素材が見直され品質は改善されましたが、依然として「エアサスペンション」の耐久性が課題として残ります。特に走行距離が伸びてくると、エアスプリング(ゴム風船)の微細なひび割れによるエア漏れが発生し、一晩駐車すると車高が下がってしまう現象が起きやすくなります。

また、ハイブリッドモデルであるLS600hにおいては、重量級ボディを動かすための高電圧システムへの負荷が大きく、10万km前後でのハイブリッドバッテリーの劣化に加え、稀にインバーター系のトラブルも報告されており、これらは修理費が極めて高額になるリスクを孕んでいます。


50系(2017年〜)

50系(2017年〜) はプラットフォームが一新され信頼性が大幅に向上していますが、V6 3.5Lツインターボエンジン化されたことによるエンジンルーム内の熱管理の難しさから、ターボ関連のセンサー類(ウェイストゲート制御など)の不具合やが生じます。

また、より複雑化した高度運転支援システム(Lexus Safety System +)のカメラやミリ波レーダーが、飛び石や汚れ、あるいは内部的な通信エラーによって誤作動を起こすケースが増えています。機械的な「壊れる」故障よりも、電子的な「狂う」トラブルの比率が高まっているのが特徴です。

年式(型式)主な不具合傾向と症状特記事項・リスク
40系 前期・内装(ダッシュボード・ドア)のベタつき、割れ・ブレーキアクチュエーターからの異音、警告灯・O2センサーヒーター断線経年劣化による内装ダメージが顕著で、補修には高額な費用がかかる。リセール価格への影響大。
40系 中期・後期・エアサスエア漏れ(車高低下)・フロントロアアームブッシュ亀裂・ナビHDD/SD読み込み不良足回りのゴム部品のヘタリが目立ち始め、乗り心地が悪化。ナビの地図更新サポート終了に伴うシステムの陳腐化問題もあり。
50系・ターボ系センサー/アクチュエーター異常・電子制御エラー(ADAS関連)・パノラマサンルーフからのキシミ音電子デバイスの不調が多い。部品代が高騰しているため、認定中古車保証などの期間内での対応が重要。

参照元:国土交通省 リコール情報検索

10万km前後で増えるLS特有のトラブル症状を一覧で解説

走行距離が10万kmに近づくと、これまで静かに潜んでいた摩耗や劣化が一気に表面化し始めます。LSはその高い静粛性と遮音性ゆえに、わずかな異音や振動であっても、ドライバーが敏感に「何かがおかしい」と感じ取ってしまう特性があります。

特に注意したいのが、LSの走りの要である「足回り」からのSOSです。LSは2トンを超える重量級ボディを支え、かつ滑らかな動きを実現するために、フロント・リア共に複雑なマルチリンク式サスペンションを採用しており、多数のアーム類が使用されています。

これらの接合部にあるゴムブッシュ(振動吸収ゴム)が、繰り返される伸縮運動によって10万km前後で破断・硬化し、段差を乗り越えた際に「コトコト」「ギシギシ」「グググ」といった異音を発するようになります。これを放置すると、タイヤの偏摩耗や直進安定性の悪化を招きます。

また、エンジンの補機類も一斉に寿命を迎えます。冷却水を循環させるウォーターポンプからの水漏れ(ベアリングのガタつきによるシール破損)や、電力を供給するオルタネーター(発電機)のブラシ摩耗による発電不良は、前触れなく突然の走行不能につながるため、ロードサービスのお世話になる典型的なパターンです。以下に、10万km前後で発生頻度が急上昇するトラブルを詳細にまとめました。


冷却水(LLC)の微量漏れと「バレープレート」問題

ラジエーターのアッパータンクのカシメ部分やウォーターポンプからの滲みはもちろんですが、特に40系LSのV8エンジン(UR系)では、Vバンクの谷間にあるヒートエクスチェンジャーの蓋(バレープレート)のシーリング材が劣化し、冷却水が漏れ出す事例が非常に多いです。エンジン上部から覗いても見えにくい場所で漏れるため、発見が遅れがちです。甘い匂いがしたら要注意です。


足回りの異音発生(ロアアーム・アッパーアーム)



前述の通り、ブッシュ切れによりステアリング操作時や段差通過時に金属的な異音が発生します。特にフロントロアアームの後ろ側ブッシュは負荷が大きく、亀裂が入りやすい箇所です。


AT・CVTの変速ショックとタイムラグ

ATF(オートマチックトランスミッションフルード)の劣化や、制御ソレノイドバルブへのスラッジ付着により、NからDレンジに入れた時の「ドン」という衝撃や、変速時の滑りが出始めます。


各種オイルシールからの漏れ

エンジンのタペットカバーパッキン(ヘッドカバーガスケット)からのオイル漏れに加え、プラグホールパッキンの劣化により点火プラグがオイルに水没し、失火(ミスファイア)を起こしてエンジンがガタガタ震えるトラブルも増えます。


これらの症状は、放置すればするほど周辺部品へのダメージを広げ、修理費を雪だるま式に増やしてしまいます。「10万km」は、消耗品の一斉交換時期と割り切って、まとまった予算(30〜50万円程度)を組んでリフレッシュ整備を行うことが、結果的に長く安く乗る秘訣と言えます。

旧年式のレクサスLSでまず点検すべき重要パーツ

年式が古くなったLS(特に初度登録から10年〜13年以上経過した車両)を購入、あるいは維持する場合、通常の車検整備項目だけでは見落とされがちな「重要パーツ」があります。これらは故障すると単に動かなくなるだけでなく、最悪の場合、車両火災や高速道路での立ち往生など、生命に関わる重大事故につながるリスクも含んでいます。

まず最優先で点検・交換すべきは「燃料ラインのホース類」です。ゴム製の燃料ホースは経年劣化で硬化し、弾力を失ってひび割れが発生します。LSのエンジンルーム内は非常に高温になるため、劣化の進行が早いです。

さらに、近年の燃料に含まれる添加剤の影響もあり、古い材質のゴムが侵されやすくなっています。特にインジェクター周辺のデリバリーパイプ付近や、パルセーションダンパーからの滲みは、引火すれば即車両火災です。ガソリン臭がしたらエンジンをかけないでください。

次に「オルタネーター(ダイナモ)」です。LSは電動シート、電動サンシェード、多数のECU、強力なエアコンなど「電装品の塊」であり、電力消費量が一般的な車よりも遥かに多いため、発電機への負担が極大です。

ブラシの摩耗だけでなく、レギュレーターやダイオードの熱破壊により発電しなくなると、バッテリーが上がり、走行中にパワステやブレーキアシストが停止する恐れがあります。10年または10万kmを超えたら、壊れていなくても予防交換を強く推奨するパーツ筆頭です。


スターターモーター(セルモーター)

エンジンを始動させるためのモーターです。V8エンジンの場合、エキゾーストマニホールドの熱を受けやすい位置にあったり、交換のために吸気マニホールドを外す必要があったりと手間がかかります。突然回らなくなると、出先でエンジンがかからずレッカー移動を余儀なくされます。

前兆として、エンジン始動時の音が「キュルキュル」と重苦しく遅くなったり、回る直前に「カチッ」という音がするようになったりします。


ラジエーター本体とホース類

ラジエーターの本体はアルミ製ですが、上下のタンクは樹脂製です。この樹脂が熱と圧力の繰り返しで劣化し、アッパータンクにクラック(亀裂)が入ることが多く、そこから冷却水が噴き出します。LSのエンジンはアルミブロックのため、オーバーヒートさせるとヘッドが歪みやすく、最悪の場合はエンジン交換となります。


O2センサー・A/Fセンサー

排気ガス中の酸素濃度を測り、燃調をコントロールするセンサーです。これが故障するとエンジンチェックランプが点灯し、燃費が悪化したり、アイドリングが不安定になったりします。LSには左右バンクの上流・下流で計4本などが装着されており、1本壊れると他も寿命が近いため、いたちごっこになりがちです。


これらの部品は、壊れてから直す「事後整備」ではなく、壊れる前に替える「予防整備」の考え方が重要です。特に旧年式のLSで遠出をする際は、これらのリスクを考慮し、JAFなどのロードサービスに加入しておくこと、そして任意保険のレッカー搬送距離が無制限の特約などを確認しておくことを強くお勧めします。

参照元:JAF クルマのトラブル対応

高年式LSでも起こる不具合は?電子系の故障リスク



「新しい年式だから壊れないだろう」という神話は、近年の高度に電子制御化された車両には通用しにくくなっています。高年式のLS、特に50系においては、エンジン本体やトランスミッションといった機械的な故障は減ったものの、無数に張り巡らせられたセンサーや、それらを統合制御するソフトウェアに起因するトラブルが報告されています。

その代表格が「先進運転支援システム(ADAS)のエラー」です。フロントガラス上部の単眼・ステレオカメラや、バンパー内に埋め込まれたミリ波レーダーが、飛び石による微細な傷、泥汚れ、激しい雨、あるいは内部的な通信エラーによって機能を停止し、メーターパネルに「プリクラッシュセーフティ故障」「LTA故障」などの警告を派手に表示させることがあります。

多くの場合、センサーの清掃やシステムの再起動で直りますが、センサー自体の故障や、バンパー脱着・ガラス交換に伴う「エーミング(校正作業)」の不備であれば、交換・調整には数十万円単位の費用がかかります。

また、**「電動パーキングブレーキ(EPB)」や「イージークローザー(半ドア防止機能)」**などの快適装備も、モーターやアクチュエーターの故障リスクを抱えています。これらは乗降のたびに作動するため使用頻度が非常に高く、高年式であっても過走行(タクシーやハイヤー使用など)であれば故障確率は高まります。EPBが固着すると車が動かせなくなるため深刻です。


スマートキーシステムの認識不良

車両側のオシレーター(発信機)やレシーバー(受信機)、あるいはキー側の不具合により、ドアが開かない、エンジンがかからないというトラブル。単なる電池切れと勘違いしやすいですが、車両側のコンピューターエラーの場合があります。


ナビゲーション・マルチメディアのブラックアウト

大型化されたディスプレイが突然映らなくなったり、タッチ操作を受け付けなくなったり、Bluetooth接続が頻繁に切れる症状。これらはナビユニットごとの交換となるため、修理費は非常に高額(30〜50万円)です。50系初期では、アップデートプログラムの適用で改善する場合もあります。


電動シート・オットマンの動作不良

モーターやギアの噛み込み、ワイヤー外れにより、シートが動かなくなることがあります。特に後席のオットマン機能付きシート(エグゼクティブパッケージなど)は構造が複雑で、トラブルが起きやすい箇所です。


高年式車の場合、メーカー保証(新車保証5年など)や、認定中古車保証(CPO)が残っているかどうかが極めて重要です。保証期間内であれば無償で修理できるケースがほとんどですので、少しでも動作に違和感を感じたら、「様子見」をせずにすぐにディーラーへ相談することが、高年式LSオーナーの鉄則です。

LSのモデルチェンジ(前期・中期・後期)で変わる不具合傾向

同じ型式(例えばUSF40)のLSであっても、マイナーチェンジの前後で部品のサプライヤーが変更されたり、設計変更(対策)が行われたりすることで、不具合の傾向がガラリと変わることがあります。これを理解しておくことは、中古車選びにおいて「当たり外れ」を見極めるために非常に有利に働きます。


40系における変化

  • 前期型(〜2009年)
    前述の通りブレーキアクチュエーターや内装のトラブルが目立ちました。また、風切り音対策のウェザーストリップ形状なども、この時期はまだ発展途上でした。
  • 中期型(2009年〜2012年)
    外装デザインの変更とともに、前期型で多発した初期不良箇所の多くに対策が施されました。しかし、中期型からはエアサスの制御がより高度化(乗り心地の改善)された反面、エアサス自体の耐久性(ゴムの材質など)は依然として課題のままでした。
  • 後期型(2012年〜2017年)
    「スピンドルグリル」が採用され、ボディ剛性がスポット溶接増しやレーザースクリューウェルディングによって大幅に強化されました。足回りの部品も熟成されましたが、ナビゲーションシステムがHDDからSDカード/メモリタイプへ移行する過渡期であり、リモートタッチ(マウスのような操作系)の操作感悪化や、マルチメディア系の細かなバグが報告されることがあります。

ハイブリッドシステムの変化

LS600hに関しては、年式が進むにつれてハイブリッドバッテリーの冷却効率が見直され、充放電の制御ロジックが改善されました。これにより、バッテリーへの負荷が低減されています。

そのため、前期型よりも後期型の方が、同じ走行距離でもハイブリッドバッテリーの劣化進行が緩やかであり、交換リスクが比較的低い傾向が見られます。


対策部品への切り替わり

マイナーチェンジのタイミングだけでなく、年次改良(イヤーモデル)のタイミングで、こっそりと「対策部品」に切り替わっているパーツも多数あります。例えば、ドアミラーの開閉モーター(格納不良対策)や、トランクのオープナーボタン(溶け出し対策)などは、年式が新しいほど壊れにくい構造や材質に改良されています。


中古車市場では、価格の安い前期型に目が向きがちですが、購入後の修理費のリスクを考慮すると、改良が進んだ中期型以降、予算が許せば後期型を選ぶ方が、トータルコスト(車両価格+維持費)を抑えられる可能性が高いと言えます。

「安物買いの銭失い」にならないよう、年式による信頼性の違いをシビアに見極める必要があります。

走行距離が伸びたLSに共通する“初期サイン”の見抜き方



大きな故障が発生する前には、必ずと言っていいほど車から「初期サイン」が出ています。このサインを見逃さず、早期に対処することで、修理費を数万円で済ませるか、数十万円の出費になるかの分かれ道となります。

プロライターとして多くのオーナー取材をしてきた中で共通する「予兆」をご紹介します。五感を研ぎ澄ませてチェックしてください。


最もわかりやすいのは「音」の変化です。

  • エンジンをかけた瞬間の「キュルッ」という音がいつもより長い、あるいはアイドリング中に「ヒュルヒュル」「チリチリ」という音が聞こえる場合、ファンベルトの鳴きや、アイドラープーリー、テンショナーのベアリング摩耗が疑われます。
  • ハンドルを切った時に「ウィーン」と唸るような音がする場合(油圧パワステ車)、パワーステアリングポンプの劣化やフルード不足、あるいは吸入ラインへのエア噛みが疑われます。
  • 走行中、速度に応じて「ゴー」「ウォーン」という唸り音が大きくなる場合、ハブベアリングの摩耗が疑われます。

次に「振動」です。

  • 信号待ちでDレンジに入れたままブレーキを踏んでいる時、以前よりもハンドルやシート、ドアミラーに伝わる振動が大きくなっていませんか?
    これは「エンジンマウント」や「ミッションマウント」という、エンジンの振動を吸収するゴム部品が劣化して潰れ、金属同士が接触しかけている典型的なサインです。LS本来の「無音・無振動」の世界を取り戻すには、このマウント交換(3点交換)が劇的に効きます。

排気ガスの「匂い」と「色」

  • 車を降りた時に、甘いシロップのような匂いがすれば冷却水漏れです。
  • 焦げ臭い匂いがすればオイル漏れがマフラーにかかっています。
  • マフラーから白煙が多く消えない場合はオイル下がり(バルブステムシール劣化)、黒煙が出る場合は不完全燃焼(O2センサー異常など)の兆候です。

ステアリングの「違和感」

  • 直進しているのにハンドルが少し傾いている、あるいはブレーキング時にハンドルが左右に取られるような感覚がある場合、足回りのアライメントが狂っているか、ロアアームブッシュの亀裂によりタイヤの位置が動いてしまっています。

これらのサインは、毎日乗っているオーナーだからこそ気づける微細な変化です。「気のせいかな?」で済ませず、違和感を覚えたら信頼できる整備工場でリフトアップ点検を受けることをお勧めします。

参照元:一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会

レクサス LS x 年式 不具合を未然に防ぐための点検ポイント

不具合を未然に防ぐ、いわゆる「予防整備」において、LSオーナーが特に意識すべき点検ポイントがあります。それは、一般的なエンジンオイルなどの油脂類の交換に加え、「ゴム・樹脂パーツ」と「水回り」の徹底管理です。

LSは大排気量エンジンを隙間なく詰め込んでいるため、エンジンルーム内の熱密度が非常に高く、熱害によるゴム・樹脂の劣化が他の車種よりも早く進行します。


冷却水リザーバータンクとラジエーターキャップ

タンク内の冷却水量が「FULL」と「LOW」の間にあるかだけでなく、タンク自体が黄色く変色してひび割れがないかを確認してください。また、ラジエーターキャップのゴムパッキンがへたっていると、適切な圧力がかからずオーバーヒートの原因になります。


ドライブシャフトブーツの確認

FRベースの4WDモデル(LS600hなど)の場合、フロントドライブシャフトのブーツが切れることがあります。これが破れると内部のグリスがホイールの内側に飛び散り、ベアリングが焼き付きます。ホイールの内側が黒いグリスで汚れていないか、定期的にチェックしましょう。


ATF(オートマチックフルード)の状態

レクサスはメーカーとして「無交換」を謳う場合もありますが、10万kmを超えて長く乗るなら交換は必須です。

ただし、過走行で初めて交換すると、舞い上がった汚れが油路を詰まらせて逆に不具合が出ることがあるため、プロショップでの「トルコン太郎」などを使った圧送交換や、オイルパン脱着・ストレーナー交換を伴う慎重な作業が求められます。


エアコンフィルターとエバポレーター洗浄

故障とは少し異なりますが、エアコンからのカビ臭などの悪臭は快適性を損ないます。フィルター交換だけでなく、内部のエバポレーター(熱交換器)の洗浄を行うことで、結露水による腐食を防ぎ、ブロアモーターなどの電気系統への負担も減らすことができます。


定期点検(12ヶ月点検)をディーラーや専門店で確実に受けることはもちろんですが、洗車時などに自分でボンネットを開け、各フルードの量や漏れの有無を目視確認する習慣をつけるだけで、トラブルの早期発見率は格段に上がります。愛車への関心を持つことが、最大のトラブル予防策なのです。

レクサス LS x 年式 不具合ランキング7選と修理費の目安



ここからは、実際に整備現場で頻繁に遭遇するレクサスLSの不具合を、発生頻度、修理費用の高さ、そして走行への影響度を加味してランキング形式で紹介します。さらに、オーナー様が最も気になる「修理費用の目安」も合わせて記載します。

ただし、修理費はディーラーで行うか、一般整備工場で行うか、また新品部品、リビルト(再生)部品、中古部品のどれを使うかによって数倍の開きが出ますので、あくまで参考価格としてご覧ください。


【以下で分かること】

  • 「エアサス」や「ハイブリッドバッテリー」の高額修理の実態と回避策
  • 純正部品とOEM・リビルト部品を使った場合の、具体的な部品代と工賃の差額
  • 中古部品を使っても安全な箇所と、新品を使わないと危険な箇所の見極め
  • 即日で直る軽整備なのか、数週間の入院が必要な重整備なのかの判断基準

1位:エアサス故障|年式が古いLSで最も多い不具合

レクサスLSの代名詞とも言える「雲の上を走るような」極上の乗り心地を支えているのが、電子制御エアサスペンションです。しかし、これがLS最大のウィークポイントであり、金銭的な負担となる箇所でもあります。

金属製のコイルスプリングではなく、ゴム製のエアバッグに圧縮空気を溜めて車重を支えているため、タイヤと同じようにゴムが経年劣化します。微細なひび割れから空気が漏れる「エア漏れ」は、避けて通れない宿命です。

症状としては、駐車中に車高が下がっている(エンジンをかけると上がる)、走行中にコンプレッサー付近から「プシュー」という排気音が頻繁にする、乗り心地が「突き上げ感」のある硬さに変わる、などが挙げられます。 最も恐ろしいのは、エア漏れを放置して乗り続けることです。

漏れた空気を補充しようとエアコンプレッサーが回り続けた結果、コンプレッサー自体が焼き付いて故障し、修理箇所が増えてしまう「二次被害」です。

4本のうち1本だけがダメになることもありますが、使用期間は同じなので、1本交換してもすぐに他が連鎖的に壊れるケースが多く、4本同時の交換が理想とされています。


修理費の目安と選択肢

  • ディーラー(新品交換)
    エアサス本体が1本あたり約15万〜20万円。4本全交換+工賃で60万〜90万円コースとなります。最も確実ですが、車両の残存価値を考えると躊躇する金額です。
  • 一般工場(社外新品・リビルト品)
    海外製の社外新品や、国内のリビルト品を使用する場合、1本あたり約5万〜10万円。工賃込みで4本交換しても30万〜40万円程度に抑えられます。ただし、品質にばらつきがあるため、保証付きの部品を選ぶことが重要です。
  • 構造変更(バネサス化)
    エアサスシステムを撤去し、一般的な金属バネの車高調キットなどに交換する方法。費用は部品代+工賃で15万〜25万円前後で済み、二度とエアサス故障に怯える必要はなくなります。ただし、乗り心地はスポーティ寄り(硬め)に変化し、車検を通すために構造変更申請(強度検討書の提出など)が必要になります。

この故障は「運が悪ければ起きる」ではなく「いつか必ず起きる」と考えて、購入時から予算を確保しておくべき最重要項目です。

2位:ハイブリッドバッテリー劣化|10万km超えで頻発する症状

LS600hやLS500hなどのハイブリッドモデルにおいて、避けて通れないのが駆動用メインバッテリー(ニッケル水素またはリチウムイオン)の劣化です。一般的に使用環境にもよりますが、10年〜13年、または10万km〜15万km程度が寿命の目安と言われています。

ある日突然、マルチインフォメーションディスプレイに「ハイブリッドシステムチェック」という不吉な警告が表示されます。こうなるとハイブリッドシステムがセーフモードに入り、モーターアシストが無くなりガソリンエンジンのみでの走行となります。

燃費は激減し、パワーもダウンし、まるで重たいだけの車になってしまいます。放置すると車検に通らないだけでなく、インバーターなどの高電圧系への悪影響も懸念されます。

また、後席背後にあるバッテリー冷却ファンのフィルターがホコリで詰まると、バッテリーが高温になり劣化を早めるため、こまめな清掃が必要です。


修理費の目安と選択肢

  • ディーラー(新品Assy交換): 最も安心な選択肢です。工賃込みで約35万〜45万円(LS600hの場合)。LS500hなどのリチウムイオン搭載車はさらに高額になる傾向があります。
  • 専門業者(リビルトバッテリー): 回収したバッテリーから健全なセルを選別し、バランス調整を行って組み直した再生バッテリーを使用する場合、約15万〜20万円程度で交換可能です。コストパフォーマンスに優れ、現在では主流の修理方法となっています。

最近では、劣化したブロック(セル)のみを部分交換するさらに安価な修理法もありますが、古いセルと新しいセルの電圧差でバランスが崩れ、すぐに再発するリスクが高いため、長く乗るならAssy(丸ごと)交換、あるいは品質保証のある信頼できるリビルト品への交換を推奨します。

3位:ステアリング異音や振動|前期型で目立つ不具合

40系LSの前期・中期モデルで特に多いのが、ステアリング関連の不具合です。これには「ステアリングギアボックス(ラック&ピニオン)」からの異音と、「VGRS(ギア比可変ステアリング)」のトラブルが含まれます。

ステアリングを切ると、手元や足元から「コトコト」「カクカク」といった不快な振動が伝わってきたり、据え切り時(停止状態でハンドルを回す)に異音が発生したりします。これはギアボックス内部のギアの摩耗や、ブッシュのガタつきが原因であることが多いです。

また、VGRSのアクチュエーターが故障すると、ハンドルセンターが90度ズレてしまったり、「VGRSシステムチェック」の警告灯が点灯したりします。VGRSの修理には専用の診断機による「0点調整(キャリブレーション)」が必要な場合もあります。


修理費の目安

  • ステアリングギアボックス交換
    新品だと部品代だけで約20万〜30万円。リビルト品を使用すれば部品代を約5万〜10万円程度に抑えられ、総額10万〜15万円程度で修理可能です。
  • VGRSアクチュエーター交換
    部品代だけで数十万円〜50万円近くする非常に高価なパーツです。中古部品を使って修理するケースが多いですが、年式やグレードによる適合確認が非常に難しく、レクサス専門店でないと対応できない場合があります。



ステアリングは操舵という安全に直結する重要保安部品ですので、違和感を放置せず、異変を感じたら早急な点検が必要です。

4位:パワーウィンドウ不良|年式問わず起きる電子系トラブル

「窓が開かない」「閉まらない」「オート機能が効かなくなる」「異音がする」といったパワーウィンドウのトラブルも、LSでは定番中の定番です。原因の多くはパワーウィンドウモーターの寿命(ブラシ摩耗)、あるいはレギュレーター(窓を上げ下げするワイヤー機構)のプラスチック部品の破損です。

LSは圧倒的な静粛性を確保するために、「アコースティックガラス」と呼ばれる分厚い合わせガラスや、二重ガラスを採用しています。そのためガラス自体が非常に重く、それを動かすモーターやレギュレーターにかかる物理的な負荷が、カローラなどの一般的な車よりも遥かに大きいのです。そのため、故障頻度が高い傾向にあります。

修理費の目安

  • モーター交換: 1箇所あたり約3万〜5万円。
  • レギュレーター交換: 1箇所あたり約2万〜4万円。
  • スイッチ類交換: マスタースイッチの基板不良(接点不良)の場合は、約3万〜5万円。

窓が閉まらなくなると、雨天時の走行ができなくなるだけでなく、駐車時の防犯上のリスクも生じます。「動きが遅くなった」「ガラスが動くときにギーギー音がする」といった症状が出始めたら、完全に壊れて動かなくなる前に交換しましょう。

5位:オイル漏れやにじみ|高走行LSで顕著な症状

大排気量の多気筒エンジン(V8、V6ターボ)を搭載するLSは、エンジンルーム内に熱がこもりやすく、ガスケットやパッキン類が熱硬化して弾力を失いやすい環境にあります。特に10万kmを超えた車両では、タペットカバー(シリンダーヘッドカバー)からのオイル滲みが高い確率で発生します。

漏れたオイルが高温のエキゾーストマニホールド(排気管)に垂れると、信号待ちなどで白煙が上がり、車内に焦げ臭い匂いが充満します。これは単なるオイル減り以上に、車両火災の直接的な原因になるため非常に危険です。 また、オイルパンからの漏れや、タイミングチェーンカバー、リアクランクシールからの滲みもよく見られる症状です。


修理費の目安

  • タペットカバーパッキン交換
    V8エンジンの場合、左右バンクがあるため部品代よりも工賃が高くなり、約5万〜8万円程度。同時にプラグホールパッキンも交換するのがセオリーです。
  • オイルパン再シーリング
    メンバー(サスペンションの骨格)を少しずらすなどの手間のかかる作業が必要な場合があり、約3万〜5万円。
  • リアクランクシール交換
    エンジンとミッションの結合部にあるシールからの漏れの場合、ミッション本体を車体から降ろす大掛かりな作業となるため、工賃だけで10万円以上の費用がかかります。

駐車場に黒いオイルの跡がある場合は、即入院が必要です。

6位:AT(ミッション)ショック|旧年式で増える不具合

LSに搭載されている8速AT(40系)や10速AT(50系)は、本来非常に滑らかな変速制御を行いますが、走行距離が増え、ATFの交換を怠っていると、変速ショックが大きくなったり、アクセルを踏んでも一瞬進まないようなタイムラグが発生したりします。これを「AT滑り」の前兆と捉えることもできます。

また、AT内部の油圧を制御するソレノイドバルブのフィルターが、摩耗したクラッチ粉などのスラッジ(汚れ)で詰まり、正常な油圧制御ができなくなるケースもあります。


修理費の目安

  • ATF交換(トルコン太郎など)
    約3万〜6万円。軽度の変速ショックや滑りであれば、循環洗浄によって改善する場合があります。これで直ればラッキーです。
  • AT本体載せ替え(リビルト)
    内部クラッチの摩耗やメカニカルトラブルの場合、本体交換となります。リビルト品で約30万〜50万円。
  • AT本体載せ替え(新品)
    50万円〜100万円近い超高額修理になります。現実的には中古の良品ミッションを探して載せ替えるケースが多いです。

ATトラブルを防ぐ唯一の手段は、定期的なATF交換(2万〜4万kmごと推奨)です。「メーカー推奨無交換」を鵜呑みにせず、専門店でメンテナンスを行うことが重要です。

7位:ナビ・モニター系のエラー|電子部品の寿命と年式の関係

現代の車にとってナビやマルチモニターは、オーディオだけでなく、エアコン操作、車両設定、エネルギーフロー表示なども兼ねる「中枢神経」です。

特に40系LSでは、HDDナビのハードディスク寿命による起動不良(地図が読み込めない)、タッチパネルの反応不良(押した場所と違う場所が反応する)が多く発生します。50系ではタッチパッドの操作不良やモニターのブラックアウトが見られます。

これらの純正マルチシステムは、パネル形状が特殊であり、エアコン制御とも一体化しているため、一般的な市販ナビ(2DINサイズなど)に交換することが非常に困難です。原則として純正品の修理または交換となります。

また、マークレビンソンオーディオ装着車の場合、トランクにあるパワーアンプが故障し、音が出なくなるトラブルも定番です。


修理費の目安

  • HDD交換・データ復旧
    ディーラーでは「ユニットごとの交換」と言われ高額になりますが、専門の修理業者であれば数万円でHDDのSSD化や換装が可能な場合があります。
  • モニターユニット交換
    新品で約20万〜40万円。中古品でも10万円前後で取引される高額パーツです。
  • タッチパネル修理
    表面のデジタイザー(タッチセンサー)交換だけで済むなら数万円ですが、ユニット内部のメイン基板不良なら高額になります。
  • マークレビンソンアンプ修理
    新品は約15万円以上。専門業者による基板修理であれば3万〜5万円程度で直ることもあります。

参照元:Lexus Owners Manual

レクサス LS x 年式 不具合ランキングの総まとめ【まとめ】

ここまで、レクサスLSの年式別の不具合傾向とランキングを詳細に解説してきました。LSは世界最高水準の品質で作られた非常に完成度の高い車ですが、その高性能を維持し続けるためには、一般的な国産車以上のメンテナンスと、ある程度の維持費の覚悟が必要です。しかし、事前に弱点を知り、対策を打つことができれば、無駄な出費を抑え、長く愛用することも十分に可能です。

最後に、この記事の要点をまとめました。

まとめ

  • 40系前期は内装の劣化(ベタつき)とブレーキアクチュエーターの異音に注意が必要
  • 40系中期・後期はエアサスの寿命(エア漏れ)とハイブリッドバッテリーが最大の鬼門
  • 50系は機械的な故障よりもセンサー、カメラ、ナビ等の電子系トラブルが多い傾向にある
  • 10万kmを超えたら足回りのブッシュ類と、冷却水漏れ(バレープレート等)の全点検が必須
  • エアサス故障は新品4本交換で80万円コースだが、社外品やバネサス化で費用を1/3に抑えられる
  • ハイブリッドバッテリーの警告が出たら、リビルトバッテリー活用で費用を大幅に圧縮可能
  • エンジンからの甘い匂い(冷却水)や焦げ臭い匂い(オイル)は重大トラブルの予兆、無視は厳禁
  • ATFは「無交換」を信じず、専門店で定期交換(圧送交換)することでミッション寿命を延ばせる
  • 高年式でも保証期間が残っているかを確認し、小さな不具合や違和感もすぐにディーラーへ報告する
  • LSの維持は「予防整備」が鉄則。壊れてから直すより、壊れる前に消耗品を替える方が結果的に安くつく

レクサスLSという車は、手をかければかけるほど、その極上の乗り味と信頼感でオーナーに応えてくれる名車です。この記事が、あなたの快適で安心なLSライフの一助となれば幸いです。



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